小さな小さなアンブレラ

2008年07月27日/ その他

メキシコとキューバを訪れてきたのだが、メキシコの空港での手荷物検査のとき、機械の中を通過していく私のリュックサックの中身をモニターでチェックしていた兄ちゃんが同僚の女性を呼んで「これはなんだ?」という仕草をしていた。
女職員もよくわからないようで、身体検査のゲートを無事ブザーなしで通過していた私のもとにやってくると、ベルトコンベアで送られてきた私のリュックサックの中身を見せるように言った。
はて、そんな武器にでもなりそうなものを私が持っていたかしら、と思いつつ、これ(パスポート)? これ(本)? これ(デジカメ)? と見せていくと、女職員は、ちょっと待ってこれはなに? と聞く(たぶんそんなことをスペイン語で言っていた)。
女職員が気にとめたのは、そして武器かと思われたものの正体は、水色の折り畳み傘だった。
英語で説明すると、女職員は表情を和らげ、「まあ、これが傘なの?」と驚いていた。
メキシコに折り畳み傘がないのか、思いのほか感動してくれてこちらも少しうれしく感じつつ、その場を後にした。


それから数時間後、ヒューストンでの手荷物検査のとき、先ほど出していた折り畳み傘を今度はリュックの上に置いておいた。
すると、忙しそうにしていた若いアフリカ系の女職員がそれを見つけて、やはり「ちょっと待って! これは何?」と聞いてきた。
折り畳み傘だよ、と説明すると、女職員はきゅんきゅん腰を躍らせて、「これが傘だって言うの!?」とやはりうれしそうに驚いてくれた。
さらにこの女職員は私の折り畳み傘を手に取ると「んもう! 日本のものはなんだってかわいいんだから!」と言い、同僚の女性たちに「見て見て! 信じられる!? これが傘だっていうのよ!」と私の折り畳み傘を見せて回った。
まさかただの折り畳み傘に、10代の少女のように感動してくれるとは思ってもいなかったので、せっかくだし、その場であげてしまえばよかった。大した値段でもなかった。

いやしかし、外国人の女性に何かプレゼントを渡す機会があれば、折り畳み傘は相当喜ばれるのかもしれない。

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